ニュース 1997 No.9

 

目次

  1. 後期の運用時間について
  2. 9月23日(祝)、24日(水)の運用時間について
  3. sakuraでのFortranのサービスについて
  4. Fortranコンパイラの障害について(再掲)
  5. Fortran90コンパイラの障害について
  6. UXP/V Fortran90/VPコンパイラの障害について
  7. MSPのFTPサーバからの応答メッセージの変更について
  8. クラリネットでのIMAP/POPサービスについて
  9. MHSの運用停止について
  10. UXPからの並列計算機へのジョブ投入の廃止予告
  11. 有手順(HDLC,BSC)端局接続申請手続きの電子メール化について
  12. データベースGEOMAGのデータ更新について
  13. プログラム講習会の延期について
  14. 利用者旅費申請について
  15. プログラム講習会開催の案内

 


1. 後期の運用時間について

 10月1日より、木曜日の館内利用時間を延長し、平成10年3月末まで下記の通り後期運用時間帯となります。ご利用ください。

・1階端末室

月・水・木・金 9:00〜21:00
9:00〜16:30
土・日・祝 休み

・2階端末室/1階入出力室

月・水・木・金 9:00〜18:30
9:00〜16:30
土・日・祝 休み

・館外からのオンライン利用

月8:45〜火17:00
水8:45〜木24:00
金8:45〜土24:00

 ただし、木曜日は、システムテストなどの作業のため運用終了時間を繰り上げる場合があります。ログオン時のメッセージにご注意ください。

 

 

2. 9月23日(祝)、24日(水)の運用時間について

 9月の第4火曜日の定期保守は、23日(火)が祝日のため、翌日の 24日(水)に行なわれます。そのため、9月24日(水)の運用時間は、館内が16時30分、館外が17時までとなります。
 なお、9月23日(祝)は下記のとおり終日運用しますのでご利用ください。

  館内 館外
9月22日(月) 9:00〜21:00 9/22 8:45〜9/24 17:00
9月23日(祝) 休館
9月24日(水) 9:00〜16:30

 

 

3. sakuraでのFortranのサービスについて

 10月1日(水)より汎用UNIXシステム(sakura)で富士通製のFortran90コンパイラ(frt)および科学技術計算ライブラリSSLII(-lssl2)のサービスを開始します。
 詳細についてはman frt,man ssl2をご覧ください。

 

 

4. Fortranコンパイラの障害について(再掲)

 ベクトルFortranコンパイラに一部障害があることが判明しました。障害内容、障害条件および障害期間を以下に示します。
 なお、障害の対象となるコンパイラは、次のものです。

1)UXP/V Fortran90/VP(abacus上のfrtコマンド)
2)UXP/M FORTRAN77 EX/VP(uxp上のfrtpxコマンド)
3)MSP Fortan90/VP(FORT90コマンド、FORT90プロシジャ)
4)MSP FORTRAN77 EX/VP(FORTコマンド、FORTプロシジャ)

1)のUXP/V Fortran90/VPは97年8月5日に修正され、他は8月26日に修正されています。本障害に該当するプログラムで障害期間にモジュールを作成された場合再作成してください。

[障害内容]

 以下の条件を全て満足する場合に、実行結果が異常になることがあります。

[障害条件]

(1) 多重ループが存在する。かつ、
(2) (1)のループ中にベクトル化された2つのループが存在する。かつ、
(3) (2)のループ中に同一の配列に対する定義が存在する。かつ、
(4) (3)の配列が、(2)のループの外で参照されている。かつ、
(5) (2)のループのうち、2つ目のループの繰り返し回数が0である。

<プログラム例>

integer a(10),bb(10),list(10)
data a,bb/20*0/
data list/1,2,3,4,5,-1,2,-5,3,-8/
 
do i=1,10 !<---- (1)
 do j=1,10 !<---- (1)(2)
  a(j) = 0 !<---- (3)
 enddo  
 do j=1,list(i) !<---- (1)(2)(5)
  a(1) = i !<---- (3)
 enddo  
 bb(i) = a(1) !<---- (4)
enddo  

[障害期間]

1) UXP/V Fortran90/VP 96年 8月21日 から 97年8月5日 まで
2) UXP/M FORTRAN77 EX/VP 95年 1月 5日 から 97年8月26日まで
3) MSP Fortan90/VP 96年 6月 5日 から 97年8月26日まで
4) MSP FORTRAN77 EX/VP 91年 9月 2日 から 97年8月26日まで

 

 

5. Fortran90コンパイラの障害について

 ベクトルFortran90コンパイラに一部障害があることが判明しました。障害内容、障害条件および障害期間を以下に示します。
 なお、障害の対象となるコンパイラは、次のものです。

1) UXP/V Fortran90/VP(abacus上のfrtコマンド)
2) MSP Fortran90/VP(FORT90コマンド、FORT90プロシジャ)

 本障害は97年8月26日に修正されています。本障害に該当するプログラムで障害期間にモジュールを作成された場合再作成してください。

[障害内容]

 以下の条件を全て満足する場合に、実行結果が異常になることがあります。

[障害条件]

(1) ベクトル化された多重DOループが存在する。かつ、
(2) 最内ループ中にIF文を用いた最大値/最小値検索演算が存在する。かつ、
(3) (2)のIF文の条件式で組み込み関数の引用がある。かつ、
(4) 外側のループ中で(2)の演算結果を代入する変数を初期化している。かつ、
(5) 最内DOループの繰返し回数が2048を越える。

<プログラム例>

real*8 amax
real*8 b(6700,2)
do i=1,1
 do j=1,6001
  b(j,i) = j + i
 enddo
enddo
b(2000,1) = 7000
do i=1,1 !<---- (1)
 amax = 0 !<---- (4)
 do j=1,6001 !<---- (1),(5)
  if (abs(amax) < abs(b(j,i))) then !<---- (2)
   amax = b(j,i)
  endif
 enddo
enddo
print *, amax
end

[障害期間]

1) UXP/V Fortran90/VP 96年 8月21日 から 97年8月26日 まで
2) MSP Fortran90/VP 96年 6月 5日 から 97年8月26日 まで

 

 

6. UXP/V Fortran90/VPコンパイラの障害について

 UXP/V Fortran90/VPコンパイラに一部障害があることが判明しました。障害内容、障害条件および障害期間を以下に示します。
 なお、本障害は97年8月26日に修正されています。本障害に該当するプログラムで障害期間にモジュールを作成された場合再作成してください。

[障害内容]

 以下の条件を全て満足する場合に、実行結果が異常になることがあります。

[障害条件]

(1) 翻訳オプション-Ofが指定されている。かつ、
(2) DOループ内にインライン展開されるサブルーチンが存在する。かつ、
(3) (2)のサブルーチンにDOループの制御変数を引数として渡している。かつ、
(4) (2)のDOループと同じの制御変数名を使用する多重ループが存在する。かつ、
(5) (4)の内側のループがベクトル化されている。かつ、
(6) (6)の外側のループがアンローリングされている。かつ、
(7) (5)のループ中に同一配列への定義と参照が両方存在する。

<プログラム例>

@fortran inline(external(ysort1)) !<--- (1)
  PROGRAM MAIN  
  CALL SMAT1  
  END  
  SUBROUTINE SMAT1  
  DIMENSION XUL(10,4,2)  
  INTEGER DT2,N1,NY,NX  
  DATA XUL/80*1/  
  DT2=10 ; N1=1 ; NY=9 ; NX=10  
*vcol loop,scalar  
  DO 13 NY1=2,NY-1 !<---- (2)
  CALL YSORT1(NY1) !<---- (3)
13 CONTINUE  
  DO 30 NY1=1,NY !<---- (4),(6)
  N1=NX - NY1  
  DO 31 NX1=1,NX !<---- (5)
31 XUL(N1+NX1,1,2)=+XUL(N1+NX1,1,2)*DT2 !<---- (7)
30 CONTINUE  
  PRINT*,XUL  
  RETURN  
  END  
  SUBROUTINE YSORT1(NY2)  
  Y2=NY2 + 10  
  RETURN  
  END  

[障害期間]

1) UXP/V Fortran90/VP 96年 8月21日 から 97年8月26日 まで

 

 

7. MSPのFTPサーバからの応答メッセージの変更について

 10月1日より、MSPのFTPサーバからの応答メッセージのうち、dir(ls -l)コマンドの結果表示をUNIXのそれと同じ様式に変更します。これは、fetchなどのパソコン用FTPクライアントや mule(emacs)のange-ftpがUNIXの様式をもとにしているため、利用できないとの利用者からの要望に対応するためのものです。
 ただし、表示に関して以下のような注意点をお含みおきください。

  1. ファイルのサイズが不明のため、全て最低容量の47KBになっています。
  2. マイグレーション中のファイルは作成日付が不明のため、日付を1990年1月1日にしています。
  3. 区分データセットのメンバの表示で、メンバの作成日付が不明ですので、現在の時刻を表示します。

[表示の例]

ftp> dir
200 Command okay
150 Open data connection
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 6 1994 A.CNTL
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 6 1994 ABEND.LIST
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Jun 15 1994 RDUSER.CNTL
drwx------ 2 A00000 A00000 47000 Sep 7 1994 TEST.LOAD
drwx------ 2 A00000 A00000 47000 Jan 1 1900 TEST.LOAD.OLD
227 Transfer complete;message of customizing exit
335 bytes received in 6.2 seconds (0.053 Kbytes/s)
 
ftp> dir TEST.LOAD
200 Command okay
150 Open data connection
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 10 11:50 ATTACH
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 10 11:50 DATATRNS
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 10 11:50 DETACH
-rw------- 1 A00000 A00000 47000 Sep 10 11:50 INITQEDT
227 Transfer complete;message of customizing exit
remote: TESTS.LOAD
631 bytes received in 1.6 seconds (0.4 Kbytes/s)
ftp>

 

 

8. クラリネットでのIMAP/POPサービスについて

 10月1日(水)よりパソコン通信システム(クラリネット)宛のメールをパソコン(PC)のメール・クライアントで処理するためのメールサーバのサービスを開始します。
 このメールサーバは、従来のPOP3プロトコルに加え、IMAP4プロトコルという新しいメール管理プロトコルに対応しています。
 IMAP4プロトコルでは、POP3がサーバからメールをPCに取り込むという一方向のものであったのに対し、メールをPCに取り出すだけではなくサーバ側にフォルダを作成し、そのフォルダにメールを保存・管理できるのでPCなどを持ち歩かなくても研究室、自宅、出張先などで自分宛のメールを統一的に管理できます。
 このサービスを利用するためのクラリネットでの手続きおよびIMAP/POPクライアントでの設定情報は、以下のようになっています。

1) クラリネットでのIMAP/POP利用の設定手順

 クラリネットに接続しトップメニューから各種設定(6番)からメール転送設定(12番)に入りIMAP/POPの設定(1番)を選択してください。

2) IMAP/POPのクライアントの設定情報

 送信、受信メールサーバは「mbox.kudpc.kyoto-u.ac.jp」、メールアドレスはクラリネットのメールアドレス、受信メールサーバに接続するアカウント、パスワードには、センターUNIXシステムでの利用番号、パスワードを指定してください(クラリネットのID、パスワードではありませんのでご注意ください)。

 現在、センターでテストを行ったIMAP4対応のWindows95クライアントは以下のものです。

  1. Microsoft社製 Outlook Express
  2. Netscape社製 Communicator

 なお、具体的なIMAP/POPクライアントの設定などの解説記事がセンター広報Vol.30,No.5に掲載される予定です。

 

 

9. MHSの運用停止について

 MSPシステムで運用してきたMHSは,利用されていないので8月末日で運用を停止しました。
 より一般的な電子メールを扱えるUNIXシステムのsakuraや利用負担金が定額制のパソコン通信システムでの電子メールのご利用をお勧めします。

 

 

10. UXPからの並列計算機へのジョブ投入の廃止予告

 1998年3月末をもってuxpからVPP500(並列ベクトル計算機)へのNQSジョブ投入を廃止する予定です。これに伴いuxpでは、次のコマンドが使用できなくなります。

・frtpx : UXP/M VPP FORTRAN77 EX/VP 及び EX/VPP コンパイラ
・frtvcc : UXP/M VPP C/VP コンパイラ
・qsub : NQSジョブ投入用コマンド
・qstat : NQSジョブ状況表示コマンド
・qdel : NQSジョブキャンセルコマンド

 なお、VPP500へのNQSジョブ投入は、abacus(会話型ベクトル計算機)からお使いいただけます。abacusでのNQSに関するコマンドは、

・frt : UXP/V Fortran90/VPP コンパイラ
・vcc : UXP/V C/VP コンパイラ
・qsub : NQSジョブ投入用コマンド
・qsh : 会話的なNQSジョブ投入用コマンド
・qstat : NQSジョブ状況表示コマンド
・qs : NQSジョブ状況表示コマンド( 簡易指定版)
・qdel : NQSジョブキャンセルコマンド
・gsize : グローバル変数の大きさを知るコマンド

です。abacusからのNQSジョブ投入に関するドキュメントや、NQS用のスクリプト集が、abacusの/usr/local/Doc/の下に用意してあります。また、センターのホームページの『ハイパフォーマンスコンピューティング』もご覧ください。
  http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/HPC-WG/

 

 

11. 有手順(HDLC,BSC)端局接続申請手続きの電子メール化について

 有手順端局接続申請手続きを、電子メールのやり取りで処理できるようにしました。電子メールで申請手続きをするためのメール・アドレスは次の通りです。

term-request@kudpc.kyoto-u.ac.jp
  ここに電子メールを送ると申請用紙形式のメールが返されます。
申請者は適宜項目を記入して以下の宛先に返送してください。
詳細は申請用紙形式のメールに添付されている説明を参照してください。
term@kudpc.kyoto-u.ac.jp
  申請用紙受付用メール・アドレスです。
   
お願い: 上記のメール・アドレスは有手順(HDLC,BSC)端局接続申請手続きのためのものです。他の目的、例えば、質問要望のメールは送らないでください。

 

 

12. データベースGEOMAGのデータ更新について

 データベースGEOMAGは地磁気観測に関する情報です。今回、テーブルSTATおよび、SDTを更新しました。SDTは観測データの保有情報であり、1,029件追加しました。
 なお、カラムSFの値には地磁気1秒値を表す1SCMAGという値で1986年からのデータが入力されています。
 STATは観測所に関する情報であり、10件を追加しました。STATはデータ追加以外にもカラムの値の更新が行われている場合がありますのでご覧ください。
 更新は1997年9月9日に実施しました。

<データベースの呼出し方法> <MSPシステム>

# RDB GEOMAG

<検索例>

STRACT> sel * from geomag.sdt where ye > 1997

 

 

13. プログラム講習会の延期について

 第477回「データベース構築(SYBASE)」は、10月23日(木)に開催予定でしたが、事情により延期します。ご了承ください。

 

 

14. 利用者旅費申請について

 今年度、本センター計算機利用のための出張旅費の支給を希望される方は、所定の申請書に必要事項を記入の上、下記期限までに共同利用掛あてお知らせください。

利用期限 : 平成 10年 3月13日(金)
受付期限 : 平成 10年 1月23日(金)
問い合わせ先 : 共同利用掛 075-753-7407

 

 

15. プログラム講習会開催の案内

 

472回 MATLAB(応用)

開催日 平成9年10月7日(火)
受付期間 平成9年9月24日(水)〜平成9年10月2日(木)
内容 MATLABの使用方法について解説する。コマンドの入力、簡単な演算、プログラムの作成方法などの基礎的な説明を行った後、MATLABの各種ツールボックスの利用方法を、簡単かつ具体的な例を用いて説明する。今回は、特に最適化ツールボックスの利用に焦点をあてて、初心者が自分でプログラミングできるようになることを目的とする。

 

473回 UNIX入門

開催日 平成9年10月8日(水)
受付期間 平成9年9月24日(水)〜平成9年10月3日(金)
内容 大型計算機センターでサービスしているUNIXシステムをはじめて利用される方を対象に、セッションの開始と終了、ファイルシステムの基礎とエディタの使い方、オンラインマニュアルの使い方など、UNIXの基礎的な説明と実習をします。

 

474回 MSP入門

開催日 平成9年10月9日(木)
受付期間 平成9年9月26日(金)〜平成9年10月6日(月)
内容 汎用OSのMSPシステムのサービス案内、TSSの基礎とデータセットの基礎の解説、基本的なTSSコマンドとPFD/Eの使い方

 

475回 WWW、電子メール、ニュースの利用

開催日 平成9年10月17日(金)
受付期間 平成9年10月3日(金)〜平成9年10月14日(火)
内容 sakuraにおけるWWWブラウザ、電子メール、ネットニュースの利用に関して初心者の方を対象に説明します。

476回 Fortran90

開催日 平成9年10月21日(火)
受付期間 平成9年10月7日(火)〜平成9年10月16日(木)
内容 Fortran77プログラマを対象に、Fortran90で新たに採り入れられた構文や機能を中心にFortran77からFortran90へ移行するのに必要な事柄、および、本センターでのFortran90の使い方について解説します。
講習用テキストはセンターで用意します。また、講習は講義のみであり実習の予定はありませんのでご了承願います。

478回 AVS入門

開催日 平成9年10月31日(金)
受付期間 平成9年10月17日(金)〜平成9年10月28日(火)
内容 AVSは汎用データ可視化システムの一つです。本講習ではAVS最新バージョンである Viz/Expressの使用方法、基本的操作、ならびに簡単なデータの作成等の解説,実習を行います。
実習を希望される方は,申し込み時にその旨お申し出ください。