ニュース '98 No.7

 

目次

  1. スーパーコンピューターの夜間運用時間について
  2. 夏休み期間中の館内利用時間の短縮について
  3. 夏季運用休止日について
  4. MOPAC97の運用開始について
  5. データベースSHUUGEのサブファイルGIGE2の追加について
  6. BITNETの運用停止について
  7. 開発計画(1998年度後期)募集について

 


1. スーパーコンピュータの夜間運用時間について

スーパーコンピュータ及びVP2600は、現在深夜12時以降にジョブがなくなった時点で 運転を止めておりますが、7月1日(水)から、節電対策として午後9時以降、ジョブがなくなった時点」 で運転停止処理を行い、翌朝、運用を再開します。

なお、金曜日の午後9時以降にジョブがなくなった場合、システム停止後のサービス開始は月曜日です。

スーパーコンピュータは大変混雑しており、この夜間対策で停止する状況ではありませんが、 この夜間の運用形態に利用者の皆様のご理解をお願いします。

 

 

2. 夏休み期間中の館内夜間利用時間の短縮について

一階端末室の利用時間は月・水・金の夜間は午後9時までですが、7月21日(火)〜9月4日(金)の夏休み期間中 は午後6時30分までで終了します。

 

 

3. 夏季運用休止日について

8月13日(木)〜8月16日(日)は、空調設備などの点検整備のため、sakura , mboxの館外からの利用をのぞき、すべての計算機サービスを休止します。

この期間中、プログラム相談室は閉室、オフライン機器についてもサービスを休止します。

 

 

4. MOPAC97の運用開始について

すでに分子軌道法プログラムGaussian94をアプリケーション・サーバで運用しておりますが、今回、半経験的軌道法プログラムパッケージMOPAC97の運用を下記のとおりアプリケーション・サーバで開始します。

[MOPAC97] の概要

半経験的軌道法プログラムパッケージMOPAC97の計算で得られるデータは次の項目です。

  1. 最適化構造(結合距離、結合角、二面対角)、エネルギー、電子密度(基底、励起)
  2. 遷移状態の構造、エネルギー、電子密度
  3. 励起状態の構造、エネルギー、電子密度(吸収スペクトル)
  4. 反応性の予測(HOMO-LUMOの相互作用、エネルギー分割(弱い結合))
  5. ポテンシャル超曲面、反応座標の追跡(IRC、DRC)、反応速度定数
  6. 超分極率(非線型光学材料)
  7. 基準振動(赤外スペクトル)、熱力学的量(エントロピー,エンタルピー等)
  8. 双極子モーメント、分極率、光学的性質、分配係数、ヤング率
  9. 固有値、固有スペクトル(イオン化ポテンシャル、電子親和力、フロンティア電子密度、電荷)
  10. 分子間相互作用(水素結合、疎水相互作用、芳香環、錯体)
  11. エネルギー評価(安定異性体間、各種安定構造、結合、分割)

 

MOPAC93からMOPAC97へのヴァージョンアップに伴う新機能は次のとおりです。

1.MNDO-dハミルトニアンの導入

以下の原子が適用可能。
Na, Mg, Al, Si, P, S, Cl, Zn, Br, Cd, I, Hg(ただし、Zn, Cd, Hgはs-p軌道のみ)。
その他の原子パラメーターに関してはMNDOハミルトニアンが用いられる。Fe, Cuなどの遷移金属に関してはキーワード「EXTERNAL」を指定し、外部データファイルからそれらのパラメータ を与えることにより適用できる。
SCF, UHF, C.I., FORCE, DRC, IRC, Transtion Statesの計算に使用できる。

2.MST Solvent model

TOMASIモデルに関して3つの新しいキーワード「H2O」、「CHC13」および「CC14」 が加えられた。
キーワードTOMを指定するとき、「TOM H2O」とすると、溶媒として水の組み込まれたパラメータを使用するように改良された。
MOPAC93と同様にキーワードTOMを単独で使用することができる。

 

[運用開始日]

平成10年7月21日

[利用方法]

telnetなどでアプリケーション・サーバ(apps.kudpc.kyoto-u.ac.jp, 130.54.9.15)に入り、コマンドmopacによりMOPAC97の計算を行ないます。

% mopac MOPAC入力

  計算に時間を要する場合は、

% nohup mopac MOPAC入力 &

  として、バックアップグラウンド・ジョブにしてください。

  MOPAC入力データのファイル名はXXXXXXX.datのように、必ず.datを付けてください。例えば、

% mopac h2co_testとしますと、入力データはh2co_test.datから、結果は

h2co_test.outに出力されます。

 

  MOPAC97関連のファイルを以下に示します。

(1)

<filename>.dat

MOPAC97入力データ

(2)

<filename>.out

結果出力

(3)

<filename>.arc

結果の要約

(4)

<filename>.res

再起動用

(5)

<filename>.den

密度行列

(6)

<filename>.log

計算モニタ

(7)

<filename>.gpt

グラフィックス

(8)

<filename>.esr

ESP再計算用

(9)

<filename>.syb

SYBYL

(10)

<filename>.ump

グリッドに対するデータ

(11)

<filename>.esp

ESPデータ

 

[マニュアル]

MOPAC93マニュアルが /usr/local/doc/MOPACディレクトリにあります。
mopac93.pdfはPDF形式でacroreadコマンドで、mopac93.psは
PostScript形式でghostviewコマンドで閲覧できます。
マニュアルの総ページ数は440ページ余りです。

 

 

 

5.データベースSHUUGEのサブファイルGIGE2の追加について

データベースSHUUGEは日本古代の法制資料「令集解」の全文情報です。

この度,「令集解」の本文から養老令の本文・注文・義解の文を抽出し, SHUUGEデータベースのサブファイルGIGE2として作成しました。

また,公開中の他のサブファイルも含めて,検索した文字列の前後関係を理解しやすくするため, 検索結果の出力項目に前後各3行ほどの文章を付加して表示する項目ZEを追加しました。 これに伴い,項目HOを削除しました。

なお,解説記事を広報に掲載する予定(8月号)です。

 

<データベースの呼出し方法>        <MSPシステム>

サブファイルGIGE2を指定した場合の例

 

# IRS SHUUGE SUB('GIGE2')

RS> sea tx @駅子@

5 みつかりました。 ($1)

RS> output

( 内容は省略 )

RS>

 

 

6.BITNETの運用停止について

日本のBITNETの根幹ノードが計算機の更新のために本年9月末で運用停止となります。その後BITNETは,最大来年3月末までの暫定的な運用しか行われなくなります。

そこで,本センターとしてはやむを得ず本年12月末でBITNETの運用を停止しますので,現在ご利用の皆様にはそれまでに,UNIXシステムsakura, パソコン通信システムmboxなどでのEmailのご利用に変更をお願いいたします。

なお,BITNET以外のEmailへの利用変更に関するご相談や連絡は,本センターネットワーク掛(電話:075-753-7432, Email: network@kudpc.kyoto-u.ac.jp)までお願いいたします。

 

 

7. 開発計画(1998年度後期)募集について

 今年度の開発計画後期分を下記のとおリ募集します。

開発計画は、比較的短期間に成果が多数の利用者に還元されるプログラム・ライブラリまたは、共用データベースの開発・作成を目的としています。したがって、その開発計画に汎用性のあることが必要となります。本計画のための利用負担金は、原則としてセンター負担となっています。

詳細は、

http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/Kaihatsu/

をご参照ください。

                   記

応募資格 本センターの有資格者
受付期間 平成10年7月21日(火)〜 平成10年8月21日(金)
汎用性の基準
  1. 開発の成果が複数の異なる研究分野において利用され得ること。
  2. 開発計画がセンターのプログラム・ライブラリ及び共用データベースに登録されて相当多数の利用者に使用されるか、または、センターの運用・業務等を通じて間接的に利用者の利益として還元され得るもの。
申請方法 所定の申請書を共同利用掛まで提出してください。申請書は、共同利用掛(Tel.075-753-7407,7424 または電子メール kaihatsu@kudpc.kyoto-u.ac.jp )へ請求してください。