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ニュース 2000 No.3
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目 次
4月からの運用時間帯を下記のとおりといたします。
曜日 館外からの利用 館内利用者用機器の利用 月 月曜8:45 〜
火曜 17:009:00 〜 21:00 火 9:00 〜 16:30 水 水曜8:45 〜
金曜 24:009:00 〜 21:00 木 9:00 〜 21:00 金 9:00 〜 21:00 土 12:00 〜 24:00
閉 館 * ただし、製本機構付プリンタの運用時間は9:00〜17:00といたします。
年度切替作業を3月31日(金)に実施するために、計算機システムのサービス時間を下記のように変更します。
1) 各システムの今年度のサービス終了時間と処置
a. 汎用システム(MSP)およびスーパーコンピュータ(vpp)は、3月30日(木)24:00をもって会話型のサービスを終了します。
なお、3月31日(金)の9:00までに処理できなかったバッチジョブはキャンセルしますのでご注意下さい。また、出力待ちのジョブ結果は、センターで強制出力し、課金処理します。不要なジョブ結果は、事前に消去して下さい。
b. 計算サーバ(spp)など他の全てのシステムは、3月31日(金)9:00をもってサービスを終了します。
2) 新年度のサービス開始
a. メールサーバ(sakura)、パソコン通信システム、翻訳サーバ(trans)、ダイアルアップサービスは、4月1日(土)0:00からサービスを開始します。
b, スーパコンピュータ(VPP)など他のシステムは、4月3日(月)8:45から新年度サービスを開始します。
4月3日(月)より、スーパーコンピュータ(vpp)のNQSジョブキューの許可容量を変更します。これは、プログラム開発やデバッグなどを効率的に処理できるようジョブスケジューリングの見直しを行った結果です。投入例やジョブ種別表を次に示します。
[ジョブの投入例]
gのキューにおいて、PE数が8、CPUとメモリサイズを最大値で指定する場合
vpp> qsub -q g -lP 8 -lT 20:00:00 -lM 7gb example.sh
[投入例のオプションの説明]
詳細については、manコマンドで qsubコマンドをご覧ください。
-q : キューを指定します。
-lP : 使用するPE数を指定します。
-lT : 使用するCPU時間を指定します。
-lM : 使用するメモリサイズを指定します。
[ジョブ種別表]
ジョブ種別 キュー名 PE数 CPU時間 メモリサイズ 備考 最大 標準 最大 標準 最大 会話型 − − 1時間 − 1GB 1GB 最大はunlimitを入力 バッチ ジョブ
cl 1 30分 − − コンパイル・リンク用 d 1 1時間 − 3GB 7GB 非並列用 e 1 6時間 20時間 3GB 7GB f 10 1時間 − 3GB×10 7GB×10 並列用 g 10 6時間 20時間 3GB×10 7GB×10 h 40 6時間 20時間 3GB×40 7GB×40 特殊ジョブ z 41以上 − − 申請が必要 ※ z は、41以上のPEを使用するジョブ、必要とする資源が上記許可量を超えるジョブ用であり、別途、申請手続きが必要となります。
4月3日(月)より、スーパーコンピュータ(vpp)において会話型並列実行のサービスを開始します。これにより、並列プログラム開発やデバッグなどの作業がより簡単におこなえます。会話型並列実行のためのジョブ投入は、jobexecコマンドを使用します。コマンド形式、オプション、使用例、許可容量を、つぎに示します。
jobexec [オプション] execfile [arg ...]
-vp vpno : vpnoには使用する PE数を指定します。省略値、最大値ともに4 -mem vpmemsize : vpmemsizeには使用する 1PEで使用するメモリサイズを指定します。単位はメガバイト。省略値は2048メガバイト -ct cputime : cputimeには使用するCPU時間を指定します。単位は秒 省略値は30分。最大値は1時間
execfile : 並列実行可能ファイルまたは、並列型実行可能ファイルを含むsh scriptを指定します arg : ジョブの引数を指定します
a) vpp> jobexec -ct 10:00 ./a.out > output.dat
b) vpp> jobexec -ct 1:00:00 vpp_go.sh
ジョブ種別 PE数 CPU時間 メモリサイズ 会話型並列実行 4 30分 (最大1時間) 2GB×PE数
本センターで運用しているappsは、維持管理が困難になりましたので平成12年5月31日(水)で運用を停止いたします。
なお、appsで運用していましたMATLAB、 Maple V、AVS5、AVS/Expressのアプリケーションは、sppシステムで利用できます。AVS/Express VizはSPPシステムにあるAVS/Express Developerで利用できます。csd、qcldbのデータベースは、dbシステムに移行する予定です。以下は、平成12年6月1日以降、appsのアプリケーションの代替ホスト名一覧です。
アプリケーション名 | ホスト名 平成12年5月31日まで |
ホスト名 平成12年6月1日から |
MATLAB | apps spp | spp |
Maple V | apps spp | spp |
AVS5 | apps lusso | spp lusso |
AVS/Express Viz | apps lusso | lusso |
AVS/Express Developer | spp | spp |
4月3日(月)より、計算サーバ (spp) において、NQSバッチ処理サービスを開始します。NQSバッチ処理のキュー名はpで、このキューpでは最大8個までのCPUを使って計算することができます。CPU時間、経過時間、メモリサイズの制限値は下表のとおりです。sppの課金については、項目8「計算サーバ(spp)での並列処理と課金について」をご覧ください。
キュー名 CPU数 CPU時間 経過時間 メモリサイズ p
2から8まで 標準8時間
最大160時間標準 2時間
最大30時間標準 1GB
最大 8GBNQSバッチ処理はqsubコマンドを用いてジョブ投入します。
以下にコマンド形式、オプションを次に示します。ここで、[ ]は省略可能であることを表します。
【コマンド形式】
qsub [オプション] スクリプトファイル
【オプション】
-q : キューイングするキューpを指定します。 -lNs : CPU数を指定します。省略すると2になります。 -lt : CPU時間を指定します。[[時間:]分:]秒で指定します。 -cp : 経過時間を指定する。[[時間:]分:]秒で指定します。 -lm : メモリサイズを指定します。キロバイト(kb)、メガバイト(mb)、ギガバイト(gb)で指定します。 【例】
pクラスに、CPU数8、メモリサイズ2GB,CPU時間10時間の制限を付けてジョブをpクラスに依頼する。
spp% qsub -q p -lNs 8 -lm 2gb -lt 10:00:00 example.sh
4月3日(月)より、計算サーバ(spp)で、共有メモリ型並列計算機としての並列処 理サービスを開始します。使用可能な並列コンパイラおよびツールは、つぎのとおりです。詳細は http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/SPP/ をご覧ください。
a) OpenMP Fortranコンパイラ
OpenMP は、共有メモリ型並列計算機における並列プログラミングの規格で す。OpenMP Fortran Application Program Interface Oct 1997 1.0 (http://www.openmp.org/)の仕様に基づくプログラムをコンパイルする ことができます。コマンド名はfrtで-KOMPオプションを指定します。
[コンパイル例]
spp% frt -KOMP omp.f90
b) 数値計算ライブラリ
OpenMP Fortranで記述されたプログラムから利用できる数値計算ライブラリ には、科学技術計算ライブラリSSLII(-lssl2mt)およびNetlib(http://www.netlib.org/)で配布されている基本線形代数サブルーチンBLAS(-lblasmt)、線形計算ライブラリLAPACK(-llapackmt)のVersion2.0が利用できます。結合は、ライブラリ名をファイル名のあとに指定します。
[SSL IIの結合例]
spp% frt -KOMP ssl.f90 -lssl2mt
[LAPACKの結合例]
spp% frt -KOMP lapack.f90 -llapackmt -lblasmt
a) MPIライブラリ
MPIフォーラムのMPI2.0に準拠したMPIライブラリがFortran,Cプログラムから利用できます。コンパイルは、mpifrt,mpifccコマンドを使用します。
[Fortranのコンパイル例]
spp% mpifrt mpi.f90[Cのコンパイル例]
spp% mpifcc mpi.cb) 数値計算ライブラリ
Netlibで配布されている並列版線形計算ライブラリScaLAPACK(-lscalapack)のVersion1.6が利用できます。結合は、-lscalapackをファイル名のあとに指定します。
[ScaLAPACKの結合例]
spp% mpifrt scalapack.f90 -lscalapack
a) 並列アナライザ
Fortran,C,OpenMP,MPIプログラムの開発環境を支援するツールです。プログ ラムの編集・翻訳・実行、デバッグ、サンプリングによる性能解析を行います。
コマンド名はpwbです。b) MPTools
メッセージパッシングライブラリMPIを使って作成された並列プログラムを対象 に、プロセッサ間の負荷バランスやプロセッサ間の通信時間、バリア同期待ち時間などの情報を元にプログラムの動きをプロセッサ全体、個々のプロセッサ毎の手続き呼出し関係および手続き単位で解析ができます。コマンド名はmptです。
4月3日(月)より計算サーバ(spp)で共有メモリ型並列計算機としてのサービスを行います。sppでの並列処理は、複数のプロセッサ(CPU)を使って経過時間を短縮するものです。また、並列処理した場合でもコマンド(プロセス)のCPU時間は、各プロセッサのCPU時間を合算したものになります。したがって、スーパーコンピュータ(VPP800)で行っている並列課金(並列に走ったプロセッサの最大CPU時間で課金、および使用したPE数での並列化率を掛ける)とは異なりますのでご注意下さい。なお、NQSバッチを利用しても会話型と同じように、UNIXの支払いコードで課金処理を行います。
製本機構付プリンタ(以下ODPと呼ぶ)を3月21日(火)より、運用いたします。
ODPは、完成時最大約80ページ(両面印刷で中綴じ、A4もしくはB5)の論文誌を作成することができます。
ODPの構成は、データを受取るサーバと操作端末で構成されており、PostScript形式の印刷データをサーバにプリントコマンドを用いて送りつけた後、本センターに設置した操作端末から、製本形式などの指定をして印刷・製本するものです。
研究室などからsakuraのプリントコマドで出力要求を行なった後、本センターの操作端末で製本要求を行います。
- 研究室など手元に印刷ファイル(PostScript形式)がある場合は、本センターのsakuraにftpなどで転送します。
- sakuraからプリントコマンドでpsファイルを出力します。
プリンタ名:odp
sakura% lpr -Podp xxxxx.ps- 本センターの操作端末で製本・印刷操作を行ないます。
- 操作端末の利用
9:00〜17:00の間とし、必要に応じてセンター職員(運用掛)が立会います。
ODPを使用するためには利用者登録が必要ですので、最初に利用者登録を行っていただきます。受付窓口は運用掛で、9時〜12時、13時〜17時の間受付けます。登録IDは現在の利用者IDとし、パスワードはODP専用に新規登録します。
ODPで製本してもプリントデータは自動的に削除されませんので、製本後は各自でデータを削除して下さい。
以下の製本形態が選択できます。
中綴じ (印刷用紙を二つ折りし、中央で留める)
a) A3用紙でA4判製本(表紙をつけることができます)
b) B4用紙でB5判製本(表紙はありません)
中折り (単なる二つ折り)
a) A3用紙でA4判
b) B4用紙でB5判
モノクロプリンタと同様の課金を行います。
計算機を利用された研究成果のうち、本年度に発表された論文(学会発表講演要旨を含む)などについて、次のいずれかの方法により、報告して下さい。
1.web (URL: http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin-user-only/user-report-start ) からの入力
2.文 書(様式自由ですが、webからプリントできる方はそれに記入して下さい。)
URL: http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/Information/user-report/
3.e-mail(kyodoriyo@kudpc.kyoto-u.ac.jp)
いずれの方法による場合でも『利用者番号・氏名・所属・連絡先(電話番号/e-mail)、著者名、論文名、掲載誌(巻号頁)、発表年』を明記して下さい。
◎ 期 限 : 平成12年4月28日(金) (未発表のものは、掲載され次第、報告して下さい。)
報告された研究成果は「広報Vol.33 No.5」に掲載予定ですので、巻号頁等の報告内容に記載漏れのないようお願いします。
平成12年度CPU定額利用申請の受付を3月1日より行っています。「平成12年度CPU定額利用申請」の詳細はホームページ(http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/Information/teigaku.html)をご覧下さい。
センターでは、平成12年度に開催する各プログラム講習会について、より詳しい講習内容 (前提とする知識・経験,講習の具体的な項目、演習の有無、参考文献 など) を、プログラム講習会の Web ページ
http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/Services/Course/
にてご案内しております。受講の際の参考にして下さい.
京都大学大型計算機センター第64回研究セミナーを、下記の予定で開催します。奮ってご参加下さい。
記
テーマ:東洋学へのコンピュータ利用
日 時:平成12年3月24日(金)13:00〜17:00
場 所:京都大学大型計算機センター3F講習室
13:00〜13:05 開会挨拶
高田 時雄(多言語情報研究委員会 委員長)13:05〜13:40 文字の符号化―新JIS漢字第3・第4水準の開発から見た―
豊島 正之(東京外国語大学)13:40〜14:15 JIS X 0212とJIS X 0213
安岡 孝一(京都大学大型計算機センター)
安岡 素子14:15〜14:50 『国書総目録』の漢字について―『大漢和辞典』に見えない例を中心に―
池田 証寿(北海道大学)15:10〜15:45 古文書画像のレイアウト認識と標題抽出
柴山 守(大阪市立大学)
尾崎 浩司・荒木 義彦(立命館大学)15:45〜16:20 高精度デジタル画像の高再現性表示
片岡 裕・柴田 みゆき・箕浦 暁雄・宮下 晴輝(大谷大学)16:20〜16:55 ユニコードとペンを用いた古典テキスト入力について
星野 聰(京都大学名誉教授)16:40 〜 16:50 閉会挨拶
大型計算機センター研究開発部長 金澤 正憲