目次
4. 科学研究費補助金による計算機利用申請書等の取り扱いについて
6. 計算サーバ(SPP)における並列版Gaussian98のサービスについて
1.計算サーバ(SPP)の最適化オプションの変更について
8月1日(金)より、計算サーバの下記のコマンド(コンパイラ)について、最適化オプション -Kfast_GP が標準で誘導されるように変更します。これは、このオプションの指定が無いと、オブジェクト互換を優先し、計算サーバのCPU(SPARC64_GP)向けの最適化がされないために、十分な実行性能が得られないためです。
なお、他のシステムにオブジェクトモジュールをコピーして実行させた場合には、エラーとなる可能性がありますので、ご注意ください。
[対象となるコマンド]
・ frt (Fortranコンパイラ)
・ fcc, c99 (Cコンパイラ)
・ FCC (C++コンパイラ)
最適化オプション
-Kfast_GP の詳細については manコマンドでご確認下さい。
SPPでGaussian98の並列版のサービスを開始しています。
並列版は、スーパコンピュータ版と同様に、すべてのlinkが並列化されているのではありません。並列化されているリンクおよび利用についての注意事項については、本センターのホームページ(トップページのアプリケーションから、Gaussian98を選択)をご覧ください。
本センターでGaussian98添付のテストセットをVPP800とSPPで4並列のテストした結果、下記のようにSPPでの実行の方が、課金額から有利であることがわかりました。
VPP800 4並列 SPP 4並列 SPP非並列
TEST322 1649080ms 1388円 9298000ms 930円 32617130ms 3262円
TEST447 3783093ms 1921円 8124840ms 813円 26241650ms 2625円
【1】並列版向きのジョブ [参考文献1および本センターホームページ]
・Hartree-Fock法および密度汎関数法(DFT、すなわちB3LYPなど)で巨大な分子の振動解析やNMR解析やNMR計算を行う場合。
・Hartree-Fock法および密度汎関数法で巨大な分子の構造最適化を行う場合。
・CASSCF計算でエネルギー計算や構造最適化、振動解析を行う場合
【2】並列版に向いていないジョブ
・MP2による振動解析を行う場合。
【3】利用法
SPPのバッチジョブで実行します。
並列実行の指定は、LINK 0コマンドの %nprocでプロセッサ数を指定しますが、本センターでは%nprocの指定を忘れた場合、%nproc=4で実行します。プロセッサ数は参考文献1によると、4が適当であるとなっています。
【%mem指定の注意】
本センターでは、現在のところ、8MW以上のメモリー指定ができませんのでご注意下さい。8388606ワードが最大値となります。
・バッチジョブ依頼のコマンド
subg98p ジョブキュー Gaussian98入力 [ qsubオプション ]
ジョブキュー : p (CPU時間
標準 8時間、最大 160時間)
qsubオプション : -lT CPU時間の指定
例: 9時間の場合 -lT 9:00:00
(-lTは小文字のエルと大文字のティ)
Gaussian98入力 : 入力ファイル名は、xxxxxxxx.dat または xxxxxxxx.comのように、サフィックスにdatあるいはcomがつきます。
Gaussian98出力 : 実行結果が出力されます。ファイル名はGaussian98入力ファイル名のサフィックスにlogが付きます。
例えば、入力ファイル名が Benzene.dat の場合はBenzene.log となります。
参考文献:
[1] 和佐田祐子: 並列Gaussian98による効率的な分子軌道法計算, 名古屋大学大型計算機センターニュース, Vol.32, No.3, pp.192-203,2001.