ニュース 1997 No.6

 

目次

  1. PPP接続のためのアプリケーションゲートウェイの運用について
  2. ニュースサーバへの接続について
  3. MATLAB の第5版の運用について
  4. Gaussian94 の Parallel Processor 指定利用上の注意
  5. 利用者持ち込みノートパソコンのための,接続用電話回線設置のお知らせ
  6. データベースJAFOVのデータ更新について
  7. プログラム講習会開催の案内

 


1. PPP接続のためのアプリケーションゲートウェイの運用について

 当センターでは、ダイヤルアップPPP接続のサービスを、昨年7月よりテスト運用(ニュース1996 No.7参照)、同12月より正式運用しております。
 当センターの PPP 接続は、いわゆるプロバイダーなどに比べセキュリティレベルの高い運用をしております。具体的にはダイアルアップ接続の際に割り振られる IP アドレスに private address を用いているため、センター外と直接通信することできません。そのため以下のような制約がありました。

  1. telnet, ftp, pop 等は、センター内のマシンに対してのみ接続できる。センター外へは直接接続できない。
  2. WWW は sakura を proxy サーバに設定することでのみ利用できる。http proxy に対応していないプロトコルでの通信(例えば Real Audio)は使えない。

 これらの制限を緩和するため、以下に述べるアプリケーションゲートウェイの運用を、6月20日より開始します。

(1) POP3中継サーバ

 POPクライアントにおいて、例えば xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp へ z59999という ID で接続する場合、通常ならば

  Host xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp
  User ID z59999

と指定するべきところを

  Host delegate.kudpc.kyoto-u.ac.jp
  User ID z59999%xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp

のように、ホストのところに中継サーバ(delegate.kudpc.kyoto-u.ac.jp)を指定、ユーザ名のところに「ユーザID%目的ホスト」の形で指定してください。
 これにより、sakura以外のメールサーバから直接POPでメールを取得することができます。Microsoft Internet Mail や Eudora での動作を確認しています。
 ただし、SMTP サーバは sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp 以外は指定できません。

(2) FTP中継サーバ

 FTPクライアントにおいて、例えば xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp へ z59999 という ID で接続する場合、通常ならば

  Host xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp
  User ID z59999

と指定するべきところを

  Host delegate.kudpc.kyoto-u.ac.jp
  User ID z59999@xxx.yyy.kyoto-u.ac.jp

のように、ホストのところに中継サーバ(delegate.kudpc.kyoto-u.ac.jp)を指定、ユーザ名のところに「ユーザID@目的ホスト」の形で指定してください。(POP中継サーバとは書式が少し違いますのでご注意ください)
 これにより、sakura以外のマシンと直接FTPでファイルをやりとりすることができます。Windows の FTP コマンドや Macintosh の Fetch での動作を確認しています。

(3) Socks5 サーバ

 Socks は、プロトコルに依存しない汎用のproxyサービスで、RFC1928に規定されています。Socksに対応しているアプリケーションとしては、Netscape Navigator があります。Network Preferences の Proxies の設定項目で、

  SOCKS Host sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp
  Port 1080

としてください。RealAudioなど http proxy に対応していないプロトコルでの通信が可能になります。
 また、UNIX用の汎用 socks クライアントライブラリや Windows(3.1/95/NT)用のクライアントを socks対応にする DLL は

  http://www.socks.nec.com/

からダウンロードできます。

*注意*

  1. 以上は当センターのダイヤルアップPPP接続専用の設定です。 LAN接続や他のプロバイダ等にPPP接続されている端末に誤って適用すると動作しなくなります。
  2. Socks 対応のクライアント(例えば Netscape Mail)では、(3) で述べたSOCKSを用いる場合は (1)や(2)で述べた中継サーバの指定は不要です。指定すると動作しなくなります。
  3. これらのアプリケーションゲートウェイは、PPP接続された端末からセンター外への TCP接続を中継するものです。本センターのダイヤルアップPPPサービスでは、センター外から端末側への通信は中継しません。具体的には PPP 接続された端末を FTPサーバや Xサーバにしてセンター外のクライアントから通信することはできません。また UDPでの通信にも対応していません。

 

 

2. ニュースサーバへの接続について

 当センターではネットニュースのサーバとして news.kudpc.kyoto-u.ac.jpを運用しております。このサーバへのNNTPでのアクセスは、従来センター内端末およびダイヤルアップPPP接続された端末に限定しておりましたが、6月20日より、authinfo 拡張によるユーザ認証に対応しているクライアントに対しては全ニュースグループに対する読み書きを許可するよう、接続条件を緩和します。
 authinfo に対応しているニュースリーダとしては、Microsoft Internet Newsや Macintosh の NewsWatcher があります。

 Microsoft Internet News では、

  オプション->サーバー->プロパティ->情報

を選んで、

  ログオン設定
  次のアカウント名とパスワードを使用してログオンする

のところで、アカウント名とパスワードにそれぞれsakura での利用者番号とパスワードを登録してください。

 NewsWatcher では、

  File -> Preferences -> Authentication

で設定してください。さらに Authentication Preferences でAlways Authenticate のラジオボタンをオンにしてください。

 なお、センター内端末およびダイヤルアップPPP接続された端末については、従前通り全ニュースグループに対する読み書きが許可されています。

 

 

3. MATLAB の第5版の運用について

 高性能な数値計算機能と多彩な可視化機能を備えた技術計算ソフトウエアMATLABはアプリケーションサーバ下で第4版が運用されていましたが6月20日(金)より第5版を運用しています。

 

 

4. Gaussian94 の Parallel Processor 指定利用上の注意

 本年4月より、Gaussian94 VersionD.4 をアプリケーション・サーバで運用開始しております。
 運用中の Gaussian94 は最大 8CPU までの Parallel Processor 指定が可能となっており、大きなモデルの解析には大幅なスループットの向上がはかれます。しかし、Parallel Processor 指定を行なった場合、利用した
すべてのプロセッサの CPU 時間を合算して課金しますので、ご注意ください。
 また、Gaussian94 のログの最後に表示される CPU 使用時間などは、最初に実行されたメイン・プロセスのみの情報で、他のプロセスの情報は表示できません。
 Parallel Processor指定によるスループットの向上をはかる場合は上記のように課金額が大幅に増加しますので、利用目的に応じてご自分の責任・納得の上、ご指定ください。
 なお、小さなモデルでのParallel Processor指定はかえってスループットの悪化をきたし、かつ、課金額も増加しますのでご注意ください。

 

 

5. 利用者持ち込みノートパソコンのための,接続用電話回線設置のお知らせ

 二階利用者端末室に,大型計算機センター・ホスト計算機に利用者持ち込みノートパソコンを接続するための電話回線を設置しました。

[設置機種]

接続に必要なモデム,ケーブル等は持参してください。
詳細は以下の通りです。ご使用のノートパソコン,モデムの仕様を確認の上準備願います。

[利用に当たっての注意事項]

市内,市外への発信はできません。
他の利用者と互いに譲り合ってご利用ください。

 

 

6. データベースJAFOVのデータ更新について

 データベースJAFOVは日本に収蔵されている脊椎動物の化石の標本情報です。今回の更新で2,901件が追加し、合計7,239件になりました。ご利用ください。データ更新は5月13日(火)に実施しました。

<データベースの呼出し方法> <MSPシステム>

 # IRS JAFOV

 

 

7. プログラム講習会開催の案内

・467回 Maple V

開催日 平成9年6月24日(火)
受付期間 平成9年6月10日(火)〜平成9年6月19日(木)
内容 優れた数学ツールであるMapleVの基本操作と、Unix系で便利なフィルターとしての使用法等の実践的な応用問題への適用を紹介する。午前は講義,午後は実習を予定。

 

・468回 MATLAB(基礎)

開催日 平成9年6月25日(水)
受付期間 平成9年6月11日(水)〜平成9年6月20日(金)
内容 (1) MATLAB の基礎
 ベクトルと行列
 グラフィックス
 M-file の作成
 Toolbox の利用
(2) SIMULINK の基礎
 モデルの作成
 シミュレーション
 MATLAB へのデータ転送

 

 

・469回 SAS利用者のためのMSP入門

開催日 平成9年6月26日(木)
受付期間 平成9年6月12日(木)〜平成9年6月23日(月)
内容 TSSの基本的な利用方法とPFD/Eを用いたデータセットの作成・編集及びSASプログラムの実行方法等の解説
SASシステムの基本的な利用方法の解説
PFD/Eを用いたSASプログラムの作成・実行の実習

 

 

・470回 SAS-応用編-

開催日 平成9年6月27日(金)
受付期間 平成9年6月13日(金)〜平成9年6月24日(火)
内容 SASでデータ解析をするうえで、比較的よく利用されるプロシジャを中心にプログラムを通して解説します。
午後からは実習を行います。

 

 

・471回 WINDOWSパソコンによるセンター利用

開催日 平成9年7月9日(水)
受付期間 平成9年6月25日(水)〜平成9年7月4日(金)
内容 WINDOWS 95パソコンを使ってセンターへ接続する方法を解説します。電子メールの送受、ニュース検索などの利用について、基本的な操作方法を解説・実習します。

 

* 受講者定員 原則として30名
* 講習時間 10:30〜16:00 (特に講習時間を指定してある場合を除く)
* 会場 京都大学大型計算機センター3階講習室
* 申し込み Tel.075-753-7407,7424 または、センター3階受付カウンターにて
* 講習会資料は当日配布します。