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ニュース (全国共同利用版)

             2003年7月号

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目次

1.   計算サーバ(SPP)の最適化オプションの変更について

2.   設備機器の点検作業に伴うサービス休止について

3.   RIMSデータベースの一部データの削除

4.   科学研究費補助金による計算機利用申請書等の取り扱いについて

5.   平成15年度CPU定額利用(第期)の受付について

6.   計算サーバ(SPP)における並列版Gaussian98のサービスについて




1.計算サーバ(SPP)の最適化オプションの変更について


 81()より、計算サーバの下記のコマンド(コンパイラ)について、最適化オプション -Kfast_GP が標準で誘導されるように変更します。これは、このオプションの指定が無いと、オブジェクト互換を優先し、計算サーバのCPU(SPARC64_GP)向けの最適化がされないために、十分な実行性能が得られないためです。
 なお、他のシステムにオブジェクトモジュールをコピーして実行させた場合には、エラーとなる可能性がありますので、ご注意ください。

 [
対象となるコマンド]
 
frt            (Fortranコンパイラ)
 
fcc, c99   (Cコンパイラ)
 
FCC        (C++コンパイラ)

 最適化オプション -Kfast_GP の詳細については manコマンドでご確認下さい。


2.設備機器の点検作業に伴うサービス休止について


 計算機室の電気並びに空調設備などの点検作業に伴い、下記の期間、システムのサービスを休止する予定です。利用者の方々には大変ご迷惑をおかけしますが、計算機利用計画を前後の日程に変更頂くなどの御協力をお願いいたします。

・ サービス休止期間 : 814() 7:00 から 818() 9:00 まで
・ 対象システム    : メールサーバを除く全てのシステム


3.RIMSデータベースの一部データの削除


    RIMSデータベースは数学,数理科学関係の文献情報が蓄積されています。この程,物理学関係のプレプリントの文献情報の内,現物資料廃棄に伴い,最近数年分以前のデータを削除しました。削除件数は33,032件です。データの削除は2003624()に実施しました。


4.科学研究費補助金による計算機利用申請書等の取り扱いについて


 受付の開始について
 文部科学省科学研究費補助金(以下「科研費」という)による計算機利用は、交付内定通知があった段階から申請を受け付けています。

 最終利用期限について
 科研費での最終利用期限は、平成16229()です。


5.平成15年度CPU定額利用(第2期)の受付について


 CPU定額利用制度とは、演算経費(CPU課金)について、予め1(10万円)、最高3(30万円)までの負担を申請することにより、申請額の5倍までの利用を認めるものです。制度の詳細は、ホームページの解説を参照ください。
 今年度の第
2期分の申請受付および利用期間は、下記の通りです。

             記
 申請受付: 平成1571()〜平成15821()
 利用期間: 平成1581()〜平成151130()

 なお、「平成15年度CPU定額利用申請」の詳細は、
 ホームページ( http://www.kudpc.kyoto-u.ac.jp/Information/teigaku/ )をご覧ください。


6.計算サーバ(SPP)における並列版Gaussian98のサービスについて


 SPPGaussian98の並列版のサービスを開始しています。

 
並列版は、スーパコンピュータ版と同様に、すべてのlinkが並列化されているのではありません。並列化されているリンクおよび利用についての注意事項については、本センターのホームページ(トップページのアプリケーションから、Gaussian98を選択)をご覧ください。

 
本センターでGaussian98添付のテストセットをVPP800SPPで4並列のテストした結果、下記のようにSPPでの実行の方が、課金額から有利であることがわかりました。

               VPP800
4並列    SPP 4並列      SPP非並列
TEST322   1649080ms 1388
  9298000ms 930  32617130ms 3262
TEST447   3783093ms 1921
  8124840ms 813  26241650ms 2625

1】並列版向きのジョブ [参考文献1および本センターホームページ]
 
Hartree-Fock法および密度汎関数法(DFT、すなわちB3LYPなど)で巨大な分子の振動解析やNMR解析やNMR計算を行う場合。
 
Hartree-Fock法および密度汎関数法で巨大な分子の構造最適化を行う場合。
 
CASSCF計算でエネルギー計算や構造最適化、振動解析を行う場合

2】並列版に向いていないジョブ
 
MP2による振動解析を行う場合。

3】利用法
    SPP
のバッチジョブで実行します。

 
並列実行の指定は、LINK 0コマンドの %nprocでプロセッサ数を指定しますが、本センターでは%nprocの指定を忘れた場合、%nproc=4で実行します。プロセッサ数は参考文献1によると、4が適当であるとなっています。

%mem
指定の注意】
  
本センターでは、現在のところ、8MW以上のメモリー指定ができませんのでご注意下さい。8388606ワードが最大値となります。

・バッチジョブ依頼のコマンド

    subg98p
ジョブキュー Gaussian98入力 [ qsubオプション ]

   
ジョブキュー   : p (CPU時間 標準 8時間、最大 160時間)
    qsub
オプション : -lT CPU時間の指定  例: 9時間の場合 -lT 9:00:00
                               (-lT
は小文字のエルと大文字のティ)
   Gaussian98
入力 : 入力ファイル名は、xxxxxxxx.dat または xxxxxxxx.comのように、サフィックスにdatあるいはcomがつきます。
   Gaussian98
出力 : 実行結果が出力されます。ファイル名はGaussian98入力ファイル名のサフィックスにlogが付きます。
                    
   例えば、入力ファイル名が Benzene.dat の場合はBenzene.log なります。

参考文献:
[1]
和佐田祐子: 並列Gaussian98による効率的な分子軌道法計算, 名古屋大学大型計算機センターニュース, Vol.32, No.3, pp.192-203,2001.